BitBeatBlog

作曲初心者が8bitサウンドを使った作曲を進める過程を綴る

音いじりの基本「エンベロープ」を知ろう

Gebです.

 

今回は,DTMでの音いじりの基本である「エンベロープ」の設定方法を解説します.

 

テーマとしては今回も,8bitサウンドを鳴らせるプラグイン「Magical 8bit Plug」の操作解説です.

前回までで,プラグインの導入と音の種類の解説をしました.

今回からは,音の出方を微調整するパラメータの解説をしていきます.

音編集画面の下の方に出ているバーのいじり方ですね.

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 今回は特に「Envelope」という項目にスポットを当てて解説します.

 

デフォルト設定だとただピーと伸びるだけの音ですが,

この項目の4要素(Attack, Decay, Sustain,Release)をいじることで,出せる音の幅がグンと広がります.

ピョンピョンって感じのプラック系

ギターっぽい減衰音

EDMのベースっぽいアレ

 

ここをうまくいじれるようになれば,自由自在に音を操れます.

 

 

 Magical 8bit Plugの画面からわかるように,エンベロープには

  • Attack
  • Decay
  • Sustain
  • Release

の4つのパラメータがあります.

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それぞれが何を意味しているのかをざーっくりと図に表すとこんな感じ.

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この図は,鍵盤を弾いた後/離した後,音の強さが時間とともにどのように変化するかを表したものです.

横が時間,縦が音の強さです.

 

この図を頭に入れながら以下のそれぞれの説明を読んで,まずは各パラメータをいじるとどう音が変わるのかを理解しましょう.

 

Attack

「Attack/アタック」は,鍵盤を押してから最大音量に達するまでの時間です.

値が0の時は一瞬で最大音量に達します.

値を大きくすると,だんだん音量が上がっていく発音になります.

 

冒頭の4番目,ベースの音声が,Attackをかなり大きい値に設定した状態です.

試しにもう一度聞いてみてください.

Decay

「Decay/ディケイ」は「減衰」という意味の英単語で,最大音量に達してから持続音の音量まで減衰するのにかかる時間です.

パラメータの調節方法はAttackと同じ.

値が0だと一瞬で音が減衰し,値が大きくなるほど長い時間をかけて減衰するようになります.

 

持続音の音量とは,音を伸ばし続けた時の,伸びている音の音量のことです.

発音時の音量と持続音の音量は違うの?と思われるかもしれませんが,楽器によっては発音時と持続音の音量が大きく違うことがあるんです.

 

例えばギターやピアノなどの撥弦楽器は,(普段あまり意識しないかもしれませんが)弦や鍵盤を弾いた瞬間に一瞬強い音が出て,すぐにある程度音が小さくなった後,だんだん音が消えていきます.

 

この「一瞬出る強い音」を表現するためには,「Decay」パラメータの調節が不可欠です.

 

実際にDecayを使って音を調節した例が,冒頭の3番目,ギターぽくした音です.

この音声は同じフレーズを2回演奏しています.

このうち1回目のみDecayを調節して,弾いた瞬間だけ強い音が出るようにしています.

なんとなく1回目の方がギターっぽく聞こえませんか?聞こえますよね.

 

...まあ仮に聞こえなかったとしても,1回目の方が音の粒がはっきりしていることはわかると思います.2回目のは音が前の持続音に被ってよく聞こえませんね.

これはこれで使いどころがあるでしょうが,ちゃんとフレーズを聴かせたいのであれば1回目のような粒のしっかりした音の方が良いでしょう.

 

こういう時にも,Decayの調節が使えます.

 

最後に一つ注意点.

Decayは,この後説明するSustainと合わせて調節して初めて意味があるパラメータです.

Decayは発音時音量から持続音量への減衰時間でしたが,この持続音量を決めるのがSustainだからです.

Sustainはデフォルトで1になっていますが,これは発音時音量と持続音量が全く同じであることを意味します.

発音時音量と持続音量が同じでは,いくら減衰時間を調節しても意味がありませんね.そもそも減衰しないのですから.

 

というわけで,Decayは必ずSustainとセットで調節しましょう.

 

Sustain

「Sustain/サステイン」は,先ほどフライング気味に説明してしまいましたが,音を伸ばし続けた時の伸びている音の音量 - 持続音量のことです.

「持続」という意味の英単語ですね.

 

 

値が大きいほど持続音量が大きくなります.

 

もう少し詳しく説明すると,Sustainのパラメータは「最大音量に対する割合」を表しています.

例えば,パラメータを0.5に設定すると,持続音量は最大音量の半分になります.

 

パラメータの値を1に設定すると,最大音量と同じ音で持続します.

先ほど説明した,Decayの意味がなくなる例ですね.

 

パラメータの値を0に設定すると,最大音量の0パーセントの持続音,すなわち音が持続しなくなります.

冒頭の2番目の音声がSustainゼロの状態です.

 

ちなみに先ほどのギターっぽい音では,Sustainを0.67に設定しています.

最大音量の約2/3です.

 

Release

「Release/リリース」は,鍵盤を離してから音が消えるまでの時間です.

 値が最小だと鍵盤を離した瞬間にプツッと音が切れ,値が大きいほどゆっくり消えていきます.

 先ほどのギターの音がReleaseを長めに設定しています.

 

 

 

以上で,パラメータをいじるとどうなるかの説明は終了です.

 

色々いじって好みの音を探してみてください.

 

それでは.