Magical 8bit Plug 2 --- 最強8bitプラグインで鳴らせる音たちの紹介
ファミコンのような8bitサウンドを簡単に鳴らすことができるプラグイン「Magical 8bit Plug」.
前回,その魅力や導入方法を解説しました.
今回は,このプラグインで鳴らせる音を紹介していきます.
パルス波
パルス波とは,音波の形が四角形をした音です.
こんな感じ.
Magical 8bit Plugではパルス波にも12.5%,25%,50%という3つの異なる音が用意されています.
このパーセントの数値は,波の上がっている所の長さの割合です.
一応の解説を上の図に載せました.
物理学っぽい話になりましたが,
まあ,音を鳴らす上ではこんな知識全く必要ありません.
音を聴きましょう.
まずは12.5%.
曲は私が8bitにハマった原点でもある名作ゲーム「undertale」から「Heartache」.
尖った音って感じですね.
続いて25%
12.5%より少し柔らかい音ですね.
最後に50%
まさに8bit,まさにピコピコ音って感じですね.
僕はこれが一番好きです.
パルス波はファミコンで使われる音の典型です.
今でこそゲーム機に音声再生機構がついているのは当たり前ですが,
当時のテクノロジーでは,ゲームを動かす機能だけでほとんどのリソースが割かれてしまっていました.
なので,パルス波のような単純な波形の音しか流せなかったってわけですね.
現在でも,例えば家電とかではこういう音が使われますね.
家電も,音に凝っても仕方がないので,こういう単純な音を使ってるわけです.
さて,パルス波はここまで.
続いて,擬似三角波です.
擬似三角波
三角波とは,その名の通り音波の波形が三角形になっている音のことです.
このMagical 8bit Plugで鳴らせる三角波はただの三角波ではなく,
「擬似三角波」と呼ばれるものです.
擬似三角波はファミコンで使われた音で,ファミコン音源を使いたい人にとっては不可欠の音です.
が,
三角波は普通のシンセでも近い音が鳴らせますが,擬似三角波を再現できるものはほとんどないそうです.
Magical 8bit Plugならできますがね.
擬似三角波は上の図のような波形です.
三角波に近いですが,ギザギザしていますね.
前述の通りファミコンは音を出す機構が弱かった.
滑らかに上下する綺麗な三角波は作れなかったんですね.
でもパルス波だけだと味気ない.なんとか三角波っぽい音を作りたい.
そこで,ファミコンのできる範囲でなるべく三角波に近づけた音が,擬似三角波です.
さて,また蘊蓄を並べてしまいましたね.
音を聴きますか.
木管楽器のような優しい音ですね.
普通の三角波だともっと優しい音なのですが,波形がわずかにギザギザしているために,「ポー」という音の他に,高めに「ビー」って感じの音が出てしまいます.
この「ビー」があることが,ファミコン感を出す上で欠かせないわけですね.
実際,私が聞いた限りでは,現代の8bit系音楽でも擬似三角波の方がよく使われている印象です.
今回音のサンプルとして使っている「Heartache」でも三角波が使われていますが,これも擬似三角波です.
この擬似三角波は,ベースで使われることが多いですね.
低音で鳴らすと,「ビー」が一層際立ちますね.
8bitっぽいベースには欠かせない音です.
このベースにパルス波のメロディーを載せてみましょう.
あー
楽しい.
ノイズ系
最後はノイズ系です.
ノイズとは,先ほどまでのような規則的な波形ではなく,ランダムに波の高さが変化する音です.
音は波形が周期的に変化することで音階を持ちますが,ノイズは波形に周期がないため,音階を持ちません.
「ザー」という感じの音になります.
まあ,百聞は一見に如かず.
聴いてみましょう.
この場合,「百見は一聞に如かず」かな?
ノイズ系は3種類.
「4bit random」「1bit long」「1bit short」の3つです.
これらの波形は...って言葉で説明しようと思いましたが,
長くなるんでやめます.
それより,こんな音どこで使うのか.
まず,効果音としてよく使われていました.
そして,音楽の面でも大事な役割があります.
ドラムです.
このノイズ系の音をうまくいじることで,
スネアドラム,ハイハット,シンバル...
に近い音を出すことができます.
このドラム音の作り方は,複雑で,そして面白く,8bitにおけるやりこみ要素の一つです.
なので,また別の記事で長々と解説しようかと.
さて,Magical 8bit Plugで出せる音の種類は,これで全てです.
しかし,Magical 8bit Plugの機能はまだまだあります.
下の方の数値は一切いじっていませんからね.
まだまだ喋れますよー
ということで次回は,このへんの数値のいじり方を解説します.
では.